今年も剣淵町にオオハクチョウが来ました。
白鳥は、晩秋にサハリン、カムチャッカを含むユーラシア大陸北部から渡来し、北海道南部から本州北部の河川、湖沼に滞在し、越冬します。
そして、3月下旬から4月上旬頃にかけて、ユーラシアに戻ります。
白鳥は、オオハクチョウとコハクチョウの2種類がいます。この2つを見分けるのはとても難しいです。
名前には「大」「小」と付いていますが、オオハクチョウが前兆(嘴の先から尾の端部まで)140㎝、コハクチョウが全長120㎝あり、どちらも鳥としては大柄です。
見た目もとても似ており、外見上の違いは嘴が始まる部分の黄色部分の配色の違いぐらいです。
彼らは完全に野生であり、人に慣れません。
近寄ると遠ざかり、肉眼で視認するのは容易ではありません。
私はカメラの望遠レンズと、デジカメ画像の拡大で見分けました。
それにより、私の住まいの近傍に飛来しているのはオオハクチョウであることが分かりました。
彼らは朝7、8時頃、もしくは夕方5時以降に剣淵町に飛来、もしくは次のねぐらに向けて飛び立ちます。
これは推測ですが、昼間、日光に当たりながら飛ぶと体力を消耗するので遠くには飛ばないようです。
彼らが好むのは、雪解け水が少し残っている田畑です。
一部のものは河川、湖沼にも滞在します。
彼らはそこで昼間は寝ているか、植物の茎や根、落ちた種子を採って食べています。
農家からすれば、作物を刈り取った後の残りを食べるのであれば良いのですが、秋に播き、翌年初夏に収獲する予定の小麦を掘り起こして食べることもあり、農家にとっては歓迎できない客です。
私の知人の農家は、鷹のビニール模型を吊るして、自分の畑に来ないようにしています。
彼らは、雌雄、もしくは家族と思われる数羽で固まって過ごしています。
時々、上体を起こして、向かい合い、羽を半開きにして羽ばたきながら首を伸ばすようにして鳴き合う「挨拶ディスプレイ」を行います。
私は1978年まで剣淵町で過ごしました。
当時は町に白鳥が来ることはありませんでした。
彼らが何時から来るようになったかは分かりませんが、少なくともこの10年は毎年来ます。
来るようになった理由が、気候の変化によるものか、自然環境の変化によるものか、あるいは白鳥自身の変化によるものか(例えば個体数が増えたことにより飛来地が増えたという可能性)、私には分かりません。
いつ来るかも分かりません。
渡来後は、天候が悪化しない限り翌日には飛び立ちます。
鳴き声は大きく、朝と夕はとてもうるさいです。
しかし、それも一時のことであり、私は北の大地に住む者としてこの時期だけの来客を眺め、楽しんでいます。